おばばと暮らせば

瀬戸内海海域の中山間部に住む、90歳のおばばと孫の暮らし。おばばの言葉や思い出が面白すぎたので記録取っていくことにしました。

2019-06-01から1ヶ月間の記事一覧

日常30 祖母と祖父のフライパン

祖母が持っている鍋は、古いものから新しいものまで結構色々ある。 中でも、フライパンがすごい。 何がすごいって、柄が長い。 本体の部分はめっちゃちっちゃい。 だからかなんだか使いやすくて孫のお気に入りのひとつ。 鉄でできてて、素人目にも年季が入っ…

日常29 祖母と孫のミス(昨日の「日常28 祖母と梅雨」内の訂正)

ブログ執筆、初めの頃こそ妹にチェックしてもらっていたけれど、 最近はそのままその日にあったことの一部をポンとあげてしまっている。 孫はものすごく雑という自覚があるので、いつか何かしらのミスをしそうだなあとぼんやり思っていた。 昨日の栗の花、痛…

日常28 祖母と梅雨

6月に入って、梅雨が来るか来ないかというあたりで、祖母が言った。 「栗の木の花が茶色になったら梅雨が来るんじゃがのぅ」 ふさふわの黄色いフサのようなものをたくさん垂れ下げている栗。 あの独特な香りが孫はキライだった。 でも、祖母の一言で少しだ…

日常27 祖母と本

読了した本たち。毎回祖母の好みに合うわけでもなく、日々模索中。 図書館の本は無料で借りられるということを知らなかった祖母。 意外とこの世代、知らない人多いのかもしれない。 4月、一緒に住み始めてすぐくらいに、図書館から大量に本を持って帰るたび…

日常26 おカラスさんのこと vol.3

おカラスさんのことシリーズ第3弾。 でも、今日はおばばも登場します。 ※こちらの内容は、普段の祖母ではなく、孫の趣味である伝承調査について考えていたり感じていたり、時にはめんどくさいような気持ちをツラツラ綴っているシリーズです。ほんの少しでも…

日常25 祖母とかぼちゃ

今年は不作続き… 孫がかぼちゃ好きというのもあって、4月に植えたかぼちゃの苗がダメになり、 5月にもう一度植えたものも、ダメになった… 「業を行ったのにかぼちゃダメになったわぁ」 祖母はがっかりしているけれど、孫はこの間覚えたての方言が出てきて…

日常24 祖母とケータイ

祖母はケータイを携帯しない。 電話をしても、3~4回のうち1回でればOK。 一発で出たらむしろ驚く。 なので、機能だってほとんど知らない。 この間、ようやくスヌーズ機能を理解した。 朝ケータイがリビングに置いてあり、「起きてください」と響き渡る。…

日常23 祖母とパン

今回も喧嘩ネタ。 孫はもともと玄米が大好きなのだが、祖母は白米が好き。 好みが真逆の2人だけれど、パンは2人とも好き。 ただ、このパンの種類で時々喧嘩をする。 つけ置きしている玄米が、時々いい具合に発酵し始める。 ずぼらな孫だけれど、勿体無い精神…

日常22 祖母と玉ねぎ

結構、祖母と孫は喧嘩している。 それもしょっちゅう。 だいたいは、孫のだらしなさに耐えられず、祖母の口調がバリバリの広島弁のオラオラ系になって、孫がそれにイライラして言い争い、という流れ。 ようは2人とも強情なのである。 そして、2人とも飽き性…

日常21 祖母の一日。

7時前、もそっと起き出して朝食。 だいたい、食パンと牛乳。 時々、おかゆ。 牛乳との相性が悪いので沸騰させてさらにそれを少し煮立たせる。 おかゆは「おはち」と卵。 「おはち」とは、前日に仏壇と神棚へ備えた一口サイズのご飯のこと。 いわゆる「お下が…

日常20 祖父の2度目のプロポーズ

私の祖父と祖母が結婚したのは、今から69年前。 祖母が19歳のとき。 当時、祖母は右の中指を大怪我していた。 和裁をしている時、針が刺さったところからばい菌が入ってしまい、 骨にまで達して、ほとんど腐ってしまったらしい。 結果、指先1cmを切り落とす…

日常19 おばばの方言教室 

ある日の夕方の田んぼ 「あんたは、言葉を知らんねえ」 祖母はよくそういう。 腹が立つというよりも、正直楽しくて仕方がない。 そういうときは大体、私の知らない方言が出てくるときだから。 その日は、大量の固く育ちすぎたレタスをどう処理しようかと悩ん…

日常18 曽祖母の味

青梅でないと作れない梅仕事。 梅肉エキス。 お腹壊したり、風邪のひき始めに、そして滋養のために飲む健康食品。 個人的に相性が良くて、市販のものを買って常備薬にしている。 これを、祖母がめっちゃ気に入って。 事あるごとに飲ませていた。 酸っぱいも…

日常17 切り干し大根

大根3本 冬はうまいからする。 夏は辛いからしない。 と言われてながらも、女2人暮らしでそんな大量消費はできない。 ましてや、ここは里山。 どこの家でも作っている。 と言うわけで、ずっとやってみたかった「切り干し大根作り」に挑戦。 友人ももれなく…

日常16 ガールズトーク

中学時代の友人が里帰りしてくれた。 その友人と私、そしてもちろん祖母を含めた3人で、夜な夜なガールズトーク炸裂。 88年生きてきた女から、20代の女たちへ一言。 「男はみんなおんなじ」 だそうです。 友人と祖母 10代で戦争、終戦、結婚を経験した祖母…

日常15 おカラスさんのこと vol.2

本日も趣味一色な内容です。 ご興味のある方はどうぞお付き合いください。 水汲みは家の前の水路から。 「カラスへお供えもの、私もしよったで」 という祖母の一言から、私のカントリーライフがスタートしていたと言っても過言ではないのですが、この烏(も…

日常14 おばばの七不思議。

「あんたぁ、こっちじゃのぉて、あっち行きんさい」 時々、祖母から聞こえる声に振り向くと、だいたい足元に向かって言っている。 何がいるのかと覗き込むと、小さなミミズが土から誤って出てきているところだった。 「こっちに来たら死ぬるけえ、はよお向こ…

日常13 どっちもそれは日常で。

うちの庭には、ブラックベリーという木がある。 実がなると、鳥たちとの取り合いになるので、この時季は朝に実を摘むことから始まる。 でも、今日はちょっとだけ忙しなく、だけどちょっとゆったりもしながらベリー摘み。 祖母の背中がちょっとだけ、いつもよ…

日常12 祖母のオノマトペ

めっちゃくちゃそっくりな祖母と孫の足 「ボチボチち(って)言いよるが、これなんね?」 夕飯を食べながら、突然祖母がこんな一言。 耳が遠くなっていて、外で変な動物の鳴き声にも反応しなくなっているのに、祖母にだけ聞こえる「ボチボチ」。 「え、なん…

日常11 夏の香り

夜7時過ぎても明るくなってきた 「今日は寝られなんだ(寝られなかった)」 5月末、朝晩はまだストーブがいるくらい寒くなる日がある。 その日も朝寒くて、リビングに行ったらストーブがついていた。 (やったラッキー♩さすがばあば~) なんて思いながら、…

日常10 祖母の農業メモ

祖母の息子夫婦、つまり私の両親なんだけど。 あの人たちはそろって「なりもの」が好きだ。 花より団子な父のために、なっている物を収穫するのが好きな母に、祖母は「なりもの」を毎年植えて育てている。 「なりもの」とは、果物のこと。 ジュンベリー、ブ…

日常9 一斉お掃除

タイトルと関係ないけど、うちの田んぼの草花。 今日は地域の一斉お掃除日。 集合は朝8時半。 歩いて10分ほどのところにある集会所へ、ご近所さんに連れて行ってもらう。 ついてまず、「あんた誰かいね?」の嵐。 続いて「若いねー!」の吹雪。 若いと言われ…

日常8 おカラスさんのこと  vol.1

百姓仕事は想定外だったけれど、祖母と住むことで楽しみにしていたことの一つが、地域の習慣行事を見ること聞くこと、そして記録すること。 研究者にはむいてない(と恩師に言われた)し、かといって何かを継承できるほど器用でもない。ただ、昔話とか祖母の…