おばばと暮らせば

瀬戸内海海域の中山間部に住む、90歳のおばばと孫の暮らし。おばばの言葉や思い出が面白すぎたので記録取っていくことにしました。

日常10 祖母の農業メモ

 

 

祖母の息子夫婦、つまり私の両親なんだけど。

あの人たちはそろって「なりもの」が好きだ。

花より団子な父のために、なっている物を収穫するのが好きな母に、祖母は「なりもの」を毎年植えて育てている。

「なりもの」とは、果物のこと。

 

ジュンベリー、ブルーベリー、イチジク、柿、さくらんぼ、そしてぶどう。

 

若い頃は雑誌を見て勉強して、

今は私が図書館から本を借りて。

 

祖母を始め、このエリアの人たちは独学で農業をされている方々が多いらしい。

子育てがそれぞれ違うように、野菜たちだってその土地その時期、その歳、その苗によってぜんぜん育ちが違う…らしい(如何せん私は農業初心者、百姓ゼロ歳)

 

祖母は日記はつけていない。

けれど、農業メモのようなものはつけている。

「去年は、5月3日には苗きとったで」

「去年のこの時期にはもう大根大量にできとったんじゃのぉ。ほれ、3月には植えとるわ」

「うちに植えとる花はのぅ、あやめに菖蒲、カキツバタジャーマンアイリス満州あやめ…(ありすぎて私がメモしきれず)」

私が何かを質問するたびに、祖母はノートを開く。

 

「物覚えは悪ぅなったがの、日記にちゃんと書いとるんじゃけえ、間違えん」

暖かくなる前は、稲が来る前までは、だいぶ弱っちゃったなあと思っていたけれど。

全然うちのおばばは元気です。

 

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畑で生きている花