日常22 祖母と玉ねぎ
結構、祖母と孫は喧嘩している。
それもしょっちゅう。
だいたいは、孫のだらしなさに耐えられず、祖母の口調がバリバリの広島弁のオラオラ系になって、孫がそれにイライラして言い争い、という流れ。
ようは2人とも強情なのである。
そして、2人とも飽き性なのか、すぐにその強情さは沈静化される。
ただ、ここ数日ずっと冷戦状態の案件がある。
「トウのたった玉ねぎ」だ。
「とう立ち」というのが一般的のよう。
玉ねぎの蕾、いわゆる「ネギ坊主」ができちゃった玉ねぎのこと。
この蕾、個人的には見た目が可愛い。
なんだか、ナウシカの部屋に咲いてそうなお花。
ただ、これがついちゃうと玉ねぎに芯みたいなのができてしまう。
これがまた美味しくない。
ただただ硬い芯なので、どうしようもないけれど、その部分だけを取り除けばそのほかは普通の玉ねぎと変わらない。
この「トウのたった玉ねぎ」がまずいということで、捨てる捨てないの冷戦が開戦している。
全然食べられるから捨てたくない孫 VS 筋筋しいものが食べにくいために捨てちゃいたい祖母。
ということで、ここ数日、ずっと夕飯は玉ねぎ。
カレーはもちろん、大量消費できるということでドレッシングも作ってみた。
個人的には新玉のステーキ風が一番美味しかったけれど、どれもこれもイマイチな祖母。
まだまだ大量にある…というわけで、玉ねぎ対策に明け暮れている今日この頃。
全然食べられるんだもの、どうにかして救済処置を!
と、思い大量に千切りして冷凍作戦をとってみたものの、当の玉ねぎから催涙ガス並みの攻撃を受け大泣きの末5玉で敗走……
助けたい相手から攻撃受けて結構心が折れたので、今日は大量に圧力鍋へ投入し、加熱。
たったそれだけ。
なのに、祖母から一言。
「やおうて(柔らかくて)うまいわ、これいいわ」
圧力鍋様様。
トウのたった玉ねぎたちは、とうぶん圧力鍋で処理される方向になったとさ。