日常9 一斉お掃除
今日は地域の一斉お掃除日。
集合は朝8時半。
歩いて10分ほどのところにある集会所へ、ご近所さんに連れて行ってもらう。
ついてまず、「あんた誰かいね?」の嵐。
続いて「若いねー!」の吹雪。
若いと言われるのもあと少しだろうから、最近は思う存分味わっている次第です。
「(祖母の実名)のとこは、子どもじゃのうて孫が帰ってきた」
というのが、小さい村なのでもう右に左に合言葉並みに伝わっている。
ただ、孫の数もそれなりなので、たくさん名前が飛んでくる。
私の名前はいつ出てくるんだ?
一斉掃除というくらいだから、町でも掃除をしている日だとのこと。
そんな日、子どもの頃にあったのかーと、相変わらず曖昧な記憶力。
まるで制服みたいに、男性陣はつなぎ、女性陣は帽子にチェックやら花柄シャツにエプロン、そしてアームカバー。
つなぎ姿の私、ちょっと服装間違えた?
男性陣は草刈機でバッサバサ草をかり、女性陣はひたすら手で草抜き・ゴミ拾い。
私もひたすら草抜き。
曇っていたお陰で気温はそんなにしんどくなかったけれども、けれども…
ひたすらしゃがんで草を抜くこの姿勢!股関節と太ももがガッチガチになりました。
1時間抜き続けて、立てなくなったの私だけ。
お姉様方はけろっとした表情で談笑中。
若いのはどっちだろう……
ここの人たちは本当にあっけらかんとされている。
よその人間が入ったら結構厳しいということは田舎あるあるだけれど、多分、祖母のお陰なんだろうと今日ものすごく思った。
口は悪いし、昔の考え方で、めんどくさいことこの上ない時だって少なくない祖母。
本人曰く「優しかないが、思いやりはある」と自己評価は高い。
しかもそれが多分すごく的を射ている。
優しいわけではないけれど、ご近所さんたちから毎回言われるのが、
「祖母さんには、よくしてもらったから」
という言葉。
恩送り、という言葉を私もいろんな人から頂いたことがあるけれど、まさに今、祖母がいつか誰かにしてくれた優しさのおすそ分けを、私はいただいております。
まだまだ、恩送りも恩返しさえもできそうにない孫ですが、祖母が一人暮らしできていたのは村の人たちみんなが気にかけてくれていたからなんだなと、改め今日心臓に刻みました。
そして、いつかの祖母が送ってくれた恩が巡り巡ってきてくれているので、それはそれでありがたくいただく私。
恩ってのはひとつじゃなくて、幾つにも層になっているものなんだねと、笑う太ももをさすりながら思いました。
いつか私もこの恩を誰かへ送ることができるようになれるのかしら。
そうなれるよう、それは未来の私へ大きくぶん投げ、明日は筋肉痛と戦うために今の私はそうそうに寝ることとします。