日常24 祖母とケータイ
祖母はケータイを携帯しない。
電話をしても、3~4回のうち1回でればOK。
一発で出たらむしろ驚く。
なので、機能だってほとんど知らない。
この間、ようやくスヌーズ機能を理解した。
朝ケータイがリビングに置いてあり、「起きてください」と響き渡る。
私が止めるより先に音が止んだのでそのまま祖母の枕元に設置。
珈琲を淹れている間に「起きてください」と女性の声が響いて、祖母がもそもそ起きてくる。
朝、ケータイのアラームがリビングで鳴っていたことを伝える。
「なして?さっき鳴ったとこじゃ」
「じゃけえ、1回鳴って止めんかったけえ、もう一回鳴ったんじゃろ?」
「でも、わしが聞いたんは1回で」
「ほいじゃけ、1回鳴って、ちゃんと止めんかったらもう一回鳴るよう設定されとるんじゃないん?」
そして都合よく、孫のスマホのアラームがなり、スヌーズ機能を教えると、
ものすごく嬉しそうに、ほうかほうかと頷いていた。
よく、「あんたはものを知らん」と言う祖母。
祖母だって、知らないことはたくさんある。
「たまには孫の言うこともききんちゃい」
そう言うと、祖母は知らん顔して珈琲を飲んでいた。