日常23 祖母とパン
今回も喧嘩ネタ。
孫はもともと玄米が大好きなのだが、祖母は白米が好き。
好みが真逆の2人だけれど、パンは2人とも好き。
ただ、このパンの種類で時々喧嘩をする。
つけ置きしている玄米が、時々いい具合に発酵し始める。
ずぼらな孫だけれど、勿体無い精神も併せ持っているので、この発酵した汁で酵母菌を作ってみた。
始まりは、友人から教えてもらったのがきっかけ。
職場の人からも改めて色々教えてもらったら、それが案外うまくいってしまって。
それから玄米の酵母パンにハマった孫。
硬いパンが大好きなので、そりゃもうどハマり。
ただ、祖母は硬いパンが食べられない。
それは歳のせいでもあるのだろう。
だけど、まだまだ顎がちゃんと機能してくれる孫は、時々は硬いものが食べたいのである。
孫が、うまいうまいと自画自賛している手作りパン。
祖母は硬いから食べない、というか食べられないパン。
なんちゃってパンだから、型にも入れずに焼いているので、見た目がUFOっぽいから「UFOパン」と命名しているのだけれど。
このUFOパンを挟んで祖母と喧嘩。
「あんたな、年寄りと住んどるんじゃけえ、硬いもんが食べられんの覚えんさいよ」
「いやいや、たまには私も硬いもん食べたぁもん」
「硬いもんは食えん」
「じゃけえ、ばあばにはちゃんとやわこい(柔らかい)の買ってきょーるじゃろうが」
「今日はなぁよ」
「……ごめん、買い忘れたわ」
とまあ、こんな感じだけれど、この玄米はうちの田んぼで育てたお米。
それを、この間つんだベリーのジャムと一緒に食べるのが、最近の朝ごはん。
それだけ見ると、すごいカントリーな朝ごはんだけれど、パンの見た目がイマイチ、愉快この上ない。
出来上がりの姿に、孫はいつも大爆笑。
面白いからまあいっか、と容器なしで作っていたけれど。
そろそろちゃんとパンの型を買うか否かが、目下悩み。
喧嘩しているのに懲りない孫である。
それぞれが言いたいことを言い、好きなように暮らせるのは、多分「祖母と孫」だからかもしれない。