日常11 夏の香り
「今日は寝られなんだ(寝られなかった)」
5月末、朝晩はまだストーブがいるくらい寒くなる日がある。
その日も朝寒くて、リビングに行ったらストーブがついていた。
(やったラッキー♩さすがばあば~)
なんて思いながら、お弁当を作っている途中に、もそもそと寝室から出てきた祖母が神妙な顔をして言った。
また歳を嘆くか?と思っていたら。
「何かがもそもそ這うんよ」
わ、とうとう幻覚見始めた!?
「虫じゃあ思うんじゃがね」
リアルにしてもやばい…
とりあえず、掃除をすることを促そうとしたら、私の口からは。
「たちまち(とりあえず)、今日はそう…ぅぎゃーーーーーーーーーーーーー!!!!????」
足元にイチゴサイズの小さなネズミ。
ネズミはネズミで私の大声に驚き同じ場所をぐるぐる。
私は私で初めて間近でみたネズミにどう対処していいかわからず、とりあえず10メートルほど逃げる。
後から考えるとビジュアルは可愛かった。
でも、いろいろなこと(菌やら病気やらネズミが住んでいるであろう場所のこととか)を考えると気持ち悪くてたまらない。
祖母の眠りを妨げていたのはネズミだったようで、その日は私の出勤ギリギリまで、掃除洗濯掃除洗濯……
「そういえば、夢でネズミに指を噛まれたんよね」
いやいや、それ夢じゃなくて現実でしょ!?
綺麗好きな祖母は、あれから毎日蚊取り線香を焚いてます。
蚊取り線香、虫だけじゃなくていろいろ効く。
祖母の助言で私も蚊取り線香を焚いているけれど、これいい。
すごく効く。
蚊取り線香って、夏に炊いているイメージで、そのまま「夏のおばあちゃんの家」の香りというイメージになっている。
今年は早々に、寒さを気温はまだまだ寒いのに、夏の香りだけがやってきた我が家です。