おばばと暮らせば

瀬戸内海海域の中山間部に住む、90歳のおばばと孫の暮らし。おばばの言葉や思い出が面白すぎたので記録取っていくことにしました。

日常14 おばばの七不思議。

 

 

「あんたぁ、こっちじゃのぉて、あっち行きんさい」

時々、祖母から聞こえる声に振り向くと、だいたい足元に向かって言っている。

 

何がいるのかと覗き込むと、小さなミミズが土から誤って出てきているところだった。

 

「こっちに来たら死ぬるけえ、はよお向こう行きんさいって言いよったんよ」

言ったところでどうと言うわけでないと思うけれど、祖母は違う。

ちゃんと彼らには通じていると言う。

 

祖母は現実主義者でお化けなんか全然信じていない。

 

でも、虫とか動物、植物は話がわかるのが多いという。

 

 

 

これ、祖母の七不思議のひとつ。(そのうち残りの6つも言えたらいいな)

 

 

 

網戸と窓ガラスの隙間に入り込んだ蜂に向かって、やれ出てけ、やれそっちだと必死に伝える。

刺されては敵わないので、それこそ互いに必死である。

(私はそんな時、逃げているに決まっている。88歳を残して堂々と逃げている)

 

花が咲いたら褒める。孫を可愛がるより可愛がるし、男が惚れた女に口説いてるみたいな時もある。

「あんたぁ、そがぁな綺麗に咲きよったね、かわええねえ」

砂糖を溶かしているみたいに褒める。

私には可愛いなんて言ったことない。

 

猿とは果物の取り合いをしているし、猫には勝手に家に上り込む悪ガキを叱るように怒鳴る。

 

初孫が高校へ進学するときに植えた桜は、立派になったと誇っているし、

多肉植物が花を咲かせば、それこそ私を引っ張ってこれだこれだと見せてくれる。

 

本当に好きなんだなあと、今日もトマトやナスに向かって話しかける祖母を見て思う孫でした。

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ベリーの摘み方を教えてくれる祖母の手。