おばばと暮らせば

瀬戸内海海域の中山間部に住む、90歳のおばばと孫の暮らし。おばばの言葉や思い出が面白すぎたので記録取っていくことにしました。

日常75 祖母の方言教室 その3

 

 

田舎あるあるなのだが、ひたすら土地がある。

別に金持ちとかじゃあない。

むしろお金に常に困っている我が一族だけれど、百姓だったので田んぼがある。

 

なかなか財になり難いので、年々その田ができなくなっている家が増えている。

これが街中とかだったら、家賃収入だってあり得たのかもしれないけれど。

我が家は孫の妹(彼女も孫だけど)が、農業やりたい人なので、今ちょっと頑張ってくれている。

 

そんな田んぼだけれど、我が家の田んぼも全部は難しくなってきた。

一番は、そんなに作ったところで売れないし、食べきれないから。

だから今、田んぼの一部を大叔父に貸している。

貸している田んぼでは、今ねぎが大量に植わっている。

 

 

汗をかいて作業する大叔父をこの夏ずっと見てきた。

熱中症対策で、夕方から作業して真っ暗になった頃帰ってゆく大叔父。

 

「好きだからできることよのお」

 

そうぼやく祖母も長年百姓をしてきた。

先輩だから思うことは、嬉しい気持ちとちょっと指導したい気持ちと、両方あるようだった。

 

 

そんな大叔父が、大量にねぎをくれる。

それを剥きながら祖母は、今日人に笑われたんだと言って話し出した。

 

「これを「へぐ」ちゅうたらな、笑われたんよ。それは方言かって」

 

皮を剥くことを、祖母は「へぐ」という。

孫も、言われて口の中で繰り返すが、違和感がない。

というか、普通に使っているような気がする。

ネットで見てみても、普通に出てくる。

 

山口県出身の祖母は、この辺だと言葉が少し違うらしい。

でも、その友人も京都出身の人らしい。

 

違う、違わないというよりも、言葉の変化そのものが面白いと孫は思う。

「正しい言葉」というよりは、「丁寧な言葉」という気持ちで言葉を使いたい。

だから、方言も若者言葉も嫌いじゃないし、面白いと思う。

 

頭の中で考えるとき、より自分の気持ちを表現しやすい言葉や単語を用いたい。

祖母の使う方言は、時々痒いところに手が届くような表現だ。

だから、私は好きなのだけど、このニュアンスが祖母になかなか伝わらない。

 

 

 

祖母の言葉が好きだけれど、知らない単語が多すぎだからなのかもしれない。

 

 

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