おばばと暮らせば

瀬戸内海海域の中山間部に住む、90歳のおばばと孫の暮らし。おばばの言葉や思い出が面白すぎたので記録取っていくことにしました。

日常72 祖母とチンゲン菜

 

 

畑の一角に、必ず祖母が植えているのが、菜っ葉たち。

「きすい」ものが食べにくくなっている祖母。

 

「きすい」とは、嚙みちぎりにくいというニュアンスらしいが、

祖母はたとえで「ガムみたいな」という。

 

ガムがそもそも噛みちぎるものではないという認識である孫。

いまだに祖母のいう「きすい」類いの野菜がわからなくて時々失敗している。

 

まあ、失敗を全部数えていたら本当にキリがない。

 

 

 

そんな祖母曰く、スーパーで買ってくる菜っ葉類は「きすい」のだそう。

 

 

 

だから菜っ葉は基本家にあるもの。

これが、孫にとっては衝撃のうまさだった。

「きすい」とか関係なく、柔らかくって美味しいのなんのって。

チンゲン菜だって、サラダとして食べている。

 

スーパーじゃないから自然の中にある、なんて言うとだいぶ語弊がある。

もちろん、祖母が種から育てているから、ちゃんと土は耕して、育ちやすい環境を作ってやる。

種だって、育ちやすいように種を取るために作ったもの(ここ、孫初めて知ってびっくり)を買ってくる。

 

ただ、土に根っこを生やしているそれらを、引っこ抜いて水で泥をザバザバ流して、

時々そのまま口へ放り込んでつまみ食いしちゃうと、

「生」って感じが口の中でぱんっと弾けるような味がする。

 

身体で、うまいと感じてる。

頭でうまいと認識するより、ずっと早く、ずっとしっかりと。

 

 

身体にいいものって一言では言えないくらい、ありがたいことにこの世にはたくさんある。

孫より頭のいい人たちが、お金を持っている人たちが、一生懸命考えて作ってくれたものがちゃんとこの世にはある。

 

今のところ、祖母が作った菜っ葉が孫にとっては一番「身体にいいもの」という感じがする。

 

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