日常41 祖母と掃除
祖母は、綺麗好き。
そして、掃除機好き。
掃除機じゃないと掃除ができたという感覚にならないみたい。
普段の掃除は孫がしている。
でも孫は箒が好きなので、祖母がいないタイミングで掃除をする。
だから、人が祖母を訪ねてくる日は、祖母が掃除をしている。
退院してから、何かを手伝おうとする私に
毎回合言葉みたいに「リハビリだ」と言って動く祖母。
家中の窓と扉を開けて、
曲がった腰で、重たい掃除機で隙間まで掃除する。
そういうとき、ふと目に入る掃除の箇所に、あーあそこも祖母の気になるポイントなのかと、孫は頭にメモする。
窓の溝、ソファーの上、扇風機の羽etc…
曲がった腰で、最後は拭き掃除までする。
もちろん、クイックルワイパーで。
祖母はいいものはいい、楽できることは楽して他にやるべきことをやる、効率主義な人。
孫は小学校でやっていた掃除の仕方(箒と雑巾)がなんでかとても好きで、今でも雑巾ダッシュとか時々1人でやってるような感情主義な人。
考え方もやり方もが違うけれど、あの大げんか以降、お互いのやり方や価値観を押し付けず、否定せずでやっている。
掃除が終わった祖母に保冷剤とアイスを渡す。
気持ちがええと笑っている祖母の横を、トンボがスーと飛んできた。
「トンボは蚊を食うてくれるけえね」
そんな理由で窓を開け放っているそう。
時々魔女みたいなことをいう祖母。
祖母の掃除は、掃除機とクイックルワイパー、そしてトンボさん達で行われている。
掃除の友がいるなら、邪魔しちゃ悪いので、虫嫌いの孫は早々に自室へ避難。
綺麗の定義は、人それぞれだ。