おばばと暮らせば

瀬戸内海海域の中山間部に住む、90歳のおばばと孫の暮らし。おばばの言葉や思い出が面白すぎたので記録取っていくことにしました。

日常64 祖母と「おはち」

 

 

 

仏壇や神棚へのお供えものを、この地域では「おはち」という。

 

 

祖母の家は、里山とはいえ中国地方だからか、湿気がすごい。

なので、気をぬくとすぐカビる。

「おはち」も例にもれず。

 

 

でも、時々そのカビがなんだかとてもかわいく広がる。

ちらし寿司のような、ふりかけでもかけているような、そんな見た目。

 

 

だから時々、本当に時々びっくりする。

ふわふわした毛があるから、食べちゃいけないのがわかるけど、なんだか間違って口にしてしまいそうで怖い。

 

 

「おばばー、これカビわいちょるよー」

「ありゃま、ほんまじゃ、捨てといて」

 

 

仏壇に供えることを、「持っていく」とか「置いてくる」とかいうと祖母は怒るけど、カビがわいたら素直に「捨てて」いいのかと、そんなところで感心しちゃった孫だった。

 

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