おばばと暮らせば

瀬戸内海海域の中山間部に住む、90歳のおばばと孫の暮らし。おばばの言葉や思い出が面白すぎたので記録取っていくことにしました。

日常51  祖母と方言教室 その2

 

 

「孫、ちょっと見んさい、ほれ、背ぇがね、ノッたんよ」

 

朝起きて早々、挨拶もせず開口一番の祖母。

3日間ぐらい続けてこの報告が続いたので、相当嬉しかったんだろう。

 

九十度、もしくはそれ以上に曲がった腰を伸ばして向き合う。

手は太ももに当てて、必死な感じだけれど、それでも祖母の目線が孫と同じになる。

 

 

「ノッた」という言葉は、教えてもらったわけではないので、

ニュアンスしか伝えられないのだが

「反る」と言った、曲がっているものが反対へ向くようなイメージ。

 

祖母のこの言葉を、「反らす」と表現するとすこし意味が異なる気がする…

曲がった腰が、まっすぐになった、という意味が一番なのだけれど

それは標準語の「背を反らす」ではちょっとニュアンスが違う。

なんというか、「元に戻した」というのがしっくりくるかもしれない。

 

 

 

よくわからないけれど、祖母はいつも「背がノッた」と繰り返して喜んでいる。

 

 

 

ちなみに、「ノッた」の「ノ」の部分にアクセントがつく。

 

 

 

実はこの言葉が方言だと認識したのは数時間前。

漢字でどう書くのかしらと、一瞬考え、全然思いつかなかったのがきっかけ。

 

 

背を伸ばして手を振る友人が羨ましいらしい。

このモチベーションのまま頑張ってもらいたいものである。

すこしずつ、歩くのが難しそうになっている。

今がチャンスかな? と思って、図書館で大量に高齢者向けのストレッチ本を借りてみた。

 

 

本日四度目の背中の報告。

何度だって、まるで初めて聞きましたという体で聞くからさ。

だからこのまま頑張って。

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祖母のメガネと本たち