日常96 祖母と畑
祖母、ベテランの百姓だから、プライド持って百姓している。
そのため、しょっちゅう百姓仕事の愚痴をいう。
聞くのはもっぱら孫の仕事。
孫は、百姓仕事をしない。
手伝って欲しいと言われたする。
そういうことに決まった。
祖母が自分でできることを、できるまではする。
そりゃあもちろん、危ないことだらけだ。
(ぺっピリ腰の孫には言われたくないだろうけど)
ちょっとでも転ければ、骨折に繋がるし。
ちょっとでも間違えば、寝たっきりに繋がる。
でも、やりたいと祖母が言ったから、孫はもう見守るって腹くくった。
時々、やっぱり無理がたたって、めまいがして起き上がれなくなる。
そういう時、祖母はやっぱり弱ってて、さらにちょっとだけ変なことを口走る。
例えば、孫がいない時のことなのに、孫がいる時の出来事のように話したり。
例えば、孫が寝ているのに、物音がすると言って孫起きてだんだねとか言ったりする。
そんなとき、孫、やっぱり怖くなる。
あーまだボケないでーって思う。
ボケてもいい、寝たっきりにいつかなってしまってもいいけど。
でも、もうちょっと楽しそうに過ごせる時間が祖母にあるといい。
孫は、それを必死に記録する。
祖母の語りや、祖母の知ってる百姓話を、ひたすら聞く。
だから、ちょっとくらいの愚痴は聞いてやろうw
って思う。
まあ、だいたい自分の息子がうまくできてないっていう愚痴なんだけどね。
それは、父に直接伝えて欲しいと思いつつ。
今日も孫は愚痴を聞く。
日常95 祖母と地域の清掃活動(田んぼ)
うちの田んぼは、もう全て父名義になっているので
今は父がメインで田んぼを世話している。
田んぼに「世話してる」っていうの、ちょっと面白いけどすごくぴったりだと思う。
春、最初の日曜日。
地域のおじさまたちが総出で、田んぼの溝掃除。
今年は孫もお手伝い。
と言っても、体力・筋力ないし、容量も悪いから、邪魔にならないようにしているだけだったけど。
弟がスコップで溝の泥をすくって、それを孫がネコグルマ(一輪車)にのっけて運ぶ。
上流で水を止めているから、逃げ遅れた生き物が結構いる。
地域の子どもがカニやらドジョウをバケツに入れて見せてくれた。
今年は、あんまり春っぽいことしてなかった。
人間は春っぽいことができなくても、自然は勝手に春になる。
春だなあ。
日常94 祖母と桜
今年も無事に咲いた。
一ヶ月前の写真。
でも、今年は花見をする余裕がなかった。
色々と理由はあるけど、ぶっちゃけめっちゃんこ寒かった。
でも、おばばは元気に外でコケを刈っていた。
「こげに苔まみれになったことは、嫁いでから一度もなかった」
今年はコブシの花もボコボコ咲いてて、
桜咲いてるのにすごく寒くって
なんだか変な春だねえと、話していた。
日常93 おカラスさんのこと vol.7
「カラスへのお供えものを作ってほしい」
孫の一言に、毎度「この子は何でこんなもんに興味があるんじゃろうか…」
という怪訝な表情をするおばば。
それでも孫は引き下がらない。
というのも、孫、今結構真面目にガチめに、論文書いてる。
ブログの更新ができないくらい結構真面目に毎日夜なべしてるw
社会人が論文書くって、そりゃあもう、きつい。
何がきついって、後ろ盾がないから、堂々と資料が見られない。
資料を見るってすごく大変なんだ。
資料ってすごく繊細なんだ。何がって中身が。
学生とか、教授とか、研究者って、つまりはそういう公の機関に、
「この人は、やましい気持ちで見てませんよ、研究のためですよ」って
証明してもらってるから、資料が見られる。
そう簡単に一般人の孫が見れないようなものがわんさかある。
でも、何とか色々工夫して、見ることができた資料たちを日々整理している。
その中で、孫が唯一自由に「閲覧」できるのが、祖母の記憶だ。
もう、この祖母の記憶がめちゃんこすごい。
本当めっちゃ貴重。
何がすごいかは、まあ孫が論文一本、無事に書き上げたらそれを読んでいただきたい。
怪訝な表情だった祖母も、作り始めるとノリノリ。
作り方、供え方、用意の仕方、本当に適当だったみたいで、何度も
「そんなん適用よ」
なんて言葉がぽんぽん出てくる。
それを、孫は必死に録画録音している。
これ、めっちゃすごいんだよ。
これ、私たちは茹でて白玉にして食べちゃうんだけどねw
これ、すごいんだよ。
もし、団子を生のままで供えるっていう行為を見たことがある人は、ぜひ孫にご一報ください。
これ、すごいんだよ…本当にすごい民俗習俗なんですよ。
日常92 おばばとひ孫
ひ孫が可愛い。
いや、孫にとっては「いとこおい」なんだけど。
赤ちゃん、可愛い。
本当に可愛い。
いとこがね(ブログをせっついてくれるいとこです、彼女のおかげで孫はブログを続けていられる)時々、動画や写真を送ってくれる。
マジでね、可愛いの。
天使なの??ってなる。
やーほんとに可愛いの。
可愛いからさ、めっちゃ送って。って感じなんだけど。
一つだけね、問題が。
おばばの家は、電波状況最悪です。
フリーWi-fiなんて届きません。
見れません……
や、職場に行けば見れるのよ、見れるんだけど、家じゃあ見れない。
祖母と一緒に見るひ孫は、孫が職場で一度ダウンロードしたやつ。
孫は、デレデレになりながら車内でダウンロードする。
祖母がデレデレになってる顔を見て、今年はもうネット環境どうにかしようと思う孫でした。
日常91 おばばと小さなお友達
今日、おばばに新しいお友達が増えた。
美容院で、分けてもらった苗。
草花が大好きなおばばは、今年、どんなお庭を作ってくれるのかなー。
「1年かけての目標じゃけえね」
だって。
ゆっくりしかできんけえって。
でも、ゆっくりじっくりやるんでいい。
おばばは、もともと人が家に来ることを嫌がらない人だった。
去年は色々あって(あー本当に色々あったw)
人に来てもらいたくないって言っていたけど。
今思うと、ちゃんとできていない自分の暮らしを見せたくなかっただけなんだろうなって思う。
孫からしたら、全然ちゃんとしてなくないんだけどなあ。
自分への理想というか、OKしてるレベルがめっちゃ高い。
「庭で、桜を見るための椅子と机を置こう思いよるんよ、そしたら、のぞいてくれた人にちょっとこっちきて座りんさいって声かけれよう?」
だって。
祖母の口から、人が来ることを想定したことが聞けて、孫は心の中だけでガッツポーズ。
ゆっくりでいいよー
しっかりできなくていいよー
もう、そのままでおばばは完璧だよー。
日常90 おばばとアルバム
最近、おばばは押入れの掃除をした。
でてきた大量の写真が、面白いのなんのって。
孫ももちろん、時々出てくる。
なんでか、二十歳前後の孫の方が、今より老けて見える…
おばばの若い頃の写真もいっぱい出てくる。
カメラ好きだったのかな。
背筋伸ばして、バリバリに働いてたときの写真を持って話してくれる。
「コレは高齢者連れてった時の写真じゃね、こっちが職員。ばばも若かろ? んでこっちが老人」
この説明を聞きながら思ったのが、幾つになっても、自分から見た高齢者は、幾つになっても「高齢者」として覚えてるんだなあってこと。
孫からしたら、もちろんおばばは高齢者。
でも、おばばにとっての高齢者もいたんだよなあっていう、当たり前のことが、やっぱり忘れてしまう。
高齢者施設で働いてたばばは、ギター弾いたり、歌ったり、なんか孫と似たようなことやってたみたい。
鬼の格好して、交通安全の呼びかけみたいなこともやってたんだって。
どれが誰だかわからんが、どれかはばーちゃんよ、なんて言われて、孫爆笑。